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緑内障のレーザー治療

レーザー治療について

緑内障のタイプが特定の条件に当てはまる方は、レーザー治療が有効な場合があります。
また、急性緑内障発作の予防としてレーザー治療を行う場合もあります。

レーザー治療は日帰りで実施することができる上、身体への負担や副作用も少なく、場合によってはさらに追加のレーザー治療を行えるため、手術を検討する前の選択肢として有効と考えられています。

緑内障のレーザー手術は緑内障のタイプによって「選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)」と「レーザー虹彩切開術(LI)」の2種類の治療法が使い分けられます。

選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)
対象となる緑内障のタイプ
開放隅角緑内障
対象となる方
点眼が難しい方(点眼の種類が多い方、点眼を忘れてしまう方、など)

この治療法は線維柱帯という房水が排出路に流れる際に通る網目状の組織にレーザーを照射し、線維柱帯の通りを良くする治療法です。
レーザーを照射すると目詰まりしたフィルターの目詰まりが無くなるとイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

線維柱帯の抵抗が大きく房水がスムーズに
排出されていない
線維柱帯にレーザーを照射
房水の排出の抵抗となるメラニンに作用
線維柱帯の通りが良くなり
房水がスムーズに排出される(=眼圧が低下する)

合併症のリスクが非常に少なく副作用もあまりないため実施しやすい治療であり、線維柱帯の組織は障害されないので再度レーザーを照射することができます。

この治療法を評価した2つの論文

イギリスのThe Lancet誌の臨床研究

718人の開放隅角緑内障・高眼圧症の患者さんを、

  • 点眼で治療するグループ362人(622眼)
  • SLTを実施するグループ356人(613眼)

の2グループにわけて3年間かけて効果を検討。
結果:SLT群の74%は、3年間点眼せずに眼圧コントロールができるようになった。

施術について

術後2,3日は少しかすみがありますが、施術当日から普段通りの生活をしていただけます。
診察の上で適応があると判断した場合の施術となります。

※レーザー治療(SLT)は生命保険によっては給付金の対象となる場合があります。
詳しくは保険会社にご確認ください。

日本眼科学会雑誌の臨床研究

42例40眼の開放隅角・正常眼圧緑内障の患者さんに対して、SLTを第一選択とした治療を3年間実施
結果:SLT後3年間は、眼圧が有意に下降した。

勿論全ての方に効果がある治療法というわけではありませんが、7~8割の方に効果が出ると報告されており、患者さんによっては点眼が不要になったり、点眼の種類が減ったりしています。

緑内障のレーザー手術は緑内障のタイプによって「選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)」と「レーザー虹彩切開術(LI)」の2種類の治療法が使い分けられます。

レーザー虹彩切開術(LI)

房水の排出路である隅角が狭い、もしくは閉塞している場合は房水が排出できず、急激に眼圧が高くなり急性緑内障発作を起こす可能性があります。
そのため、虹彩(茶目)の部分にレーザーで小さな穴を開けることで房水の通り道を作り房水を排出できるようにします。

この治療をしておくことで急性緑内障発作を予防することができるので非常に重要な治療です。
角膜の状態など眼の状況によってはこの治療が行えないことがあるため、その場合は早期に手術を行い房水の排出路を作るようにします。

房水の排出路が狭くなっているため
房水がスムーズに排出されていない
レーザーを照射し
虹彩に小さな穴を開ける
レーザーで開けた穴から
房水が排出されるようになる

期待できる効果

  • 狭隅角や閉塞隅角緑内障の方に対して、急性緑内障発作の予防
  • 急性緑内障発作を起こしてしまった方の治療(眼の状況によってはこの治療が行えないことがあり、その場合は早期に手術を行い房水の排出路を作る事が必要です)